はじめに
脳出血は脳内で血管が破裂し、周囲の組織に影響を及ぼす深刻な状態です。血腫により、局所神経症状および頭蓋内圧亢進症状を示します。
原因は高血圧が大部分を占めており、脳出血は血腫の部位や大きさによって様々な程度の症状が出現します。
この記事では、脳出血の5つの主要な脳出血(被殻・視床・脳幹・小脳・皮質下出血)を解説し、好発や症状、及び治療法について深く掘り下げます。
適切な知識を持つことで、リスクの理解と早期発見につながり、命を救うことができます。
被殻出血
好発
高血圧の既往がある方に好発。
症状
日中活動時に、突然『頭痛』『意識障害』『失語症』を発症し、症状としては、片麻痺や麻痺側の感覚障害、共同偏視が典型的な症状として見られるといわれています。
治療法
血腫量が30ml以下の場合、内科的治療(保存療法)が選択されます。
血腫量が31ml以上で、神経学的初見が中等症、かつ血腫による圧迫所見が高度の場合、外科的治療(血腫除去術)が選択されます。
視床出血
好発
高血圧の既往がある方に好発。
症状
日中活動時に突然、『頭痛』『意識障害』を発症し、症状としては片麻痺や感覚障害、眼球の内下方偏位が典型的な症状として見られると言われています。
治療法
視床に近くには内包といって運動神経や感覚神経の通る道があるので、一般的には血腫除去の適応がありません。
脳幹(橋)出血
好発
高血圧の既往がある方に好発。
症状
突然の『意識障害』『呼吸障害』を発症し、四肢麻痺や眼球の正中位固定、瞳孔の高度縮小が典型的な症状として見られます。
治療法
一般的に、血腫除去の適応はありません
小脳出血
好発
高血圧の既往がある方に好発。
症状
日中活動時に、『突然激しい後頭部痛』や『ふらつき』『めまい』『嘔吐』『眼振』『起立・歩行障害』が症状として現れると言われています。
治療法
CT画像で、血腫最大径が3cm以上であれば血腫除去術の適応となることが多いです。
3cm以下の場合は、内科的治療(保存方法)が選択されます。
皮質下出血
好発
高齢者では脳アミロイドアンギオパチー、若年者では脳動静脈奇形を持っている方に好発。
症状
『突然の頭痛』『てんかん発作』『感覚障害』『運動麻痺』などが現れます。
治療法
脳の表層から深さが1cm以上の場合、内科的治療(保存方法)
脳の表層から深さが1cm以下の場合、外科的治療(開頭血腫除去術)が適応となります。
まとめ
脳出血は突如として私たちの生活に深刻な影響を及ぼす可能性がある一方で、その原因や種類を理解することで予防と対処が可能になります。
高血圧は脳出血の大きなリスクファクターであり、健康的な生活習慣を心がけることでその危険性を減らすことができます。
被殻出血や視床出血などの種類は特に高血圧と関連が深く、症状や治療法の知識は早期発見につながります。また、脳幹出血や小脳出血は生命を脅かす可能性が高く、迅速な医療介入が必要とされます。皮質下出血は年齢や既存の疾患によってリスクが高まるため、特定の群における注意が必要です。
脳出血への理解を深めることで、私たちはリスクを下げ、もし発生した場合にも適切な対応を取る準備ができます。脳出血の予防と治療の知識は、健康な生活を送る上で不可欠であり、これらの情報を広めることが私たち社会全体の福祉に貢献します。