
外反膝(がいはんひざ)は、膝関節が過度に外側へ開いた状態を指す下肢のアライメント異常の一つです。一般的に X脚(X-legged deformity) とも呼ばれ、見た目の変化だけでなく、膝関節の内側に負荷が集中し、長期的に軟骨の摩耗や痛みを引き起こすことがあります。
特に 加齢や生活習慣、関節疾患、スポーツ障害 などが原因となることが多く、症状が進行すると 歩行や日常生活動作に支障をきたす 可能性があります。
本記事では、外反膝の基礎知識から診断、治療方法、患者の理解と専門家の臨床判断に役立つ情報を提供します。
外反膝の基礎知識
外反膝の定義とは?

外反膝とは、 大腿骨と脛骨の軸が外側へずれ、膝関節が内反して見える状態 を指します。正常な膝のアライメントでは、大腿骨と脛骨の角度は約5〜7度の範囲内に収まりますが、外反膝では 膝関節の外反角度が正常範囲を超え、明らかなX脚のような形状になります。
これは 生理的な変化ではなく、構造的な異常 であり、進行すると軟骨の摩耗や半月板損傷を引き起こす可能性があります。
正常な膝との違い

正常な膝関節は、 適切な荷重配分 により、内側と外側のバランスが取れています。しかし、外反膝では 膝関節内側にストレスが集中 し、次第に 関節軟骨の変性 を引き起こすことが知られています。特に、 内側側副靱帯(MCL)や内側半月板に負担 がかかり、炎症や痛みの原因となることが多いです。
外反膝の一般的な発生率
外反膝は 小児期には一時的に見られることが多く、発育に伴い正常化するケースが一般的ですが、成人では 加齢や生活習慣により進行性の変化 を示すことがあります。特に 女性の方が発生率が高い ことが報告されており、その理由として 骨盤の広さや靱帯の柔軟性 が影響していると考えられています。
外反膝の原因とリスク因子
先天的要因と遺伝的影響
外反膝の一部は 遺伝的要因 によって引き起こされることがあります。家族内で外反膝の既往がある場合、そのリスクは高くなる傾向があります。先天的な骨の形状や成長過程での異常により、幼少期から外反膝が見られるケースもあります。
加齢による膝関節の変化
加齢に伴い、 関節軟骨の摩耗や靱帯の弛緩 が生じることで、膝関節のアライメントが崩れることがあります。特に 変形性膝関節症(膝OA) を有する患者では、外反膝の進行が見られることが多いです。
生活習慣と姿勢の影響
長時間の 不適切な姿勢や歩行習慣 は、膝関節への負担を増加させ、外反膝を悪化させる可能性があります。特に、 膝を内股気味に曲げる癖 や、 偏った筋力バランス によって、膝関節の安定性が損なわれやすくなります。
スポーツや外傷による影響

スポーツ活動中の 繰り返しの膝へのストレスや外傷 は、外反膝の発症リスクを高めます。特に サッカー、バスケットボール、バレーボールなどのジャンプ動作を多用する競技 では、膝関節に強い外反ストレスがかかるため注意が必要です。
筋力低下とアライメント異常
膝周囲の 筋力低下(特に内転筋群や大腿四頭筋) は、膝関節の安定性を損ない、外反膝の原因となります。また、足部アライメントの異常(扁平足など)も影響を与えることが報告されています。
外反膝の治療と管理
保存療法:運動療法・装具療法
外反膝の軽度〜中等度の症例では、 運動療法 による膝関節の安定化が重要です。特に 大腿四頭筋や内転筋群の強化、足部のアライメント改善を目的としたトレーニングが推奨されます。また、膝関節への負担を軽減するために インソールやニーサポーター の使用も有効です。
理学療法によるアプローチ
理学療法では、 歩行パターンの修正 や 動作の最適化 を図り、膝関節への負荷を軽減することを目的とします。特に 股関節・足関節との連動性を考慮したリハビリ が重要となります。
日常生活でのセルフケアと予防法
患者自身が 日常生活での負担を軽減する ことも重要です。例えば、 正しい歩き方の指導や座位姿勢の改善、適切な靴の選択などが、外反膝の進行を抑えるために有効です。
外科的治療の適応と手術方法
重度の外反膝や保存療法で改善が見られない場合、 手術的治療 が検討されます。一般的な手術方法には 骨切り術(HTO: High Tibial Osteotomy) や 人工関節置換術(TKA: Total Knee Arthroplasty) があります。
術後リハビリテーションの流れ
手術後のリハビリテーションは、 膝関節の可動域訓練 から始まり、 筋力強化や歩行トレーニング を段階的に進めることが求められます。特に 再発予防のための筋力トレーニング が重要となります。
まとめ
外反膝は、見た目だけの問題ではなく、 膝関節の機能低下や疼痛を引き起こす可能性がある疾患 です。原因は 遺伝的要因、加齢、生活習慣、スポーツ障害 など多岐にわたりますが、 早期診断と適切な治療 により、進行を防ぐことが可能です。
運動療法や理学療法を中心としたアプローチで 膝関節の安定性を向上させることが重要 であり、 日常生活の改善やセルフケア も外反膝の管理には欠かせません。
また、重度の場合は 手術療法も視野に入れつつ、患者の状態に応じたリハビリテーション を計画することが求められます。
整形外科疾患に対する勉強会案内はこちら⬇︎
https://8e0f6.hp.peraichi.com
無料勉強会やオンラインコースについては代表高柳の公式ラインから⬇︎
https://liff.line.me/1645278921-kWRPP32q/?accountId=397vgsxy
施術案内ページはこちら⬇︎
https://neuroplasty-tokyo.com/shop-rehab/
訪問リハビリ案内ページはこちら⬇︎
https://neuroplasty-tokyo.com/home-rehabilitation/