前書き
ドケルバン病は、手首や親指に痛みを引き起こす腱鞘炎の一種であり、特に手を頻繁に使う職業や日常生活の習慣がある人々にとって、大きな支障をきたすことが多い疾患です。適切なリハビリを行うことで症状の改善や再発防止が期待できます。
リハビリと予防
リハビリの重要性と具体的な方法
ドケルバン病に対するリハビリは、治療過程で重要な役割を果たします。症状の緩和だけでなく、再発防止や機能の回復にも不可欠です。以下に、リハビリの具体的な方法について説明します。
ストレッチと筋力訓練
ストレッチは、手首や親指の柔軟性を保ち、腱の負担を軽減するために重要です。例えば、手首の屈曲伸展運動や親指の伸展運動などが効果的です。これらのストレッチは、腱や腱鞘の柔軟性を高め、炎症を抑える助けになります。
具体的なストレッチ方法としては、以下のようなものがあります。
- 手首の屈曲伸展運動
- 片方の手で反対の手の指を持ち、ゆっくりと手首を曲げたり伸ばしたりします。
- この動作を各10秒間ずつ、3回繰り返します。
- 親指の伸展運動
- 親指を手のひらに向かってゆっくりと曲げ、その後ゆっくりと元に戻します。
- この動作も各10秒間ずつ、3回繰り返します。
筋力訓練は、手首や親指の筋力を向上させ、再発防止に役立ちます。筋力が強化されることで、日常的な動作や作業に耐えうる能力が高まります。
- グリップ強化運動
- 柔らかいボールや握力強化グリップを使い、ゆっくりと握って離します。
- 1セット10回を3セット行います。
- 抵抗バンド運動
- 抵抗バンドを使い、手首の屈曲や伸展を行います。
- 各方向に対して10回を3セット行います。
これらの運動は、日常生活や仕事での負担を軽減し、再発のリスクを低減します。リハビリは専門の理学療法士の指導のもとで行うことが理想的です。
日常生活での予防策日常生活における予防策
正しい姿勢や動作、適切な休息を心がけることで、手首や親指への負担を軽減することができます。
正しい姿勢と動作
- 作業環境の改善
- パソコン作業時には、キーボードとマウスの位置を調整し、手首を自然な位置に保つことが重要です。
- エルゴノミックデザインのキーボードやマウスを使用することも有効です。
- 適切な持ち方
- 重い物を持つ際は、片手ではなく両手を使い、手首にかかる負担を分散させます。
- 物を持ち上げるときは、手首をまっすぐに保ち、過度に曲げないようにします。
- 作業の合間の休憩
- 長時間同じ動作を続けることを避け、定期的に休憩を取ることが必要です。
- 休憩時には軽いストレッチを行い、筋肉の緊張をほぐします。
適切な休息
- 十分な睡眠
- 良質な睡眠は、体全体の回復を促進し、炎症を抑える助けとなります。
- 毎日一定の時間に寝起きし、睡眠リズムを整えます。
- 手首や親指の休息
- 日常的に手首や親指を酷使する動作を避け、必要な場合は休息を取ります。
- 装具を使用して手首や親指を固定し、安静を保つことも有効です。
まとめ
ドケルバン病は、手首や親指に痛みを引き起こす腱鞘炎であり、適切なリハビリと予防策を講じることで症状の改善や再発防止が期待できます。リハビリテーションは、ストレッチや強化運動を通じて柔軟性や筋力を向上させ、日常生活での動作を楽にします。日常生活においても、正しい姿勢や動作、適切な休息を心がけることで、手首や親指への負担を軽減することが可能です。これらの取り組みを継続することで、健康的な生活を維持し、ドケルバン病のリスクを最小限に抑えることができます。
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